バンコクでデング熱にかかった! デング熱の治療と経過
タイに住んで2年半、最近蚊に刺さされなくなったと油断していたら、、、、なんとデング熱にかかって入院しました。デング熱にかかるまでデング熱について詳しく知らなかったので、デング熱についてとタイの入院生活などについてお伝えできたらと思います。
デング熱とは
デング熱は、感染したネッタイシマカ(熱帯縞蚊)により媒介されるデングウイルスによって引き起こされる、最も感染力の強い感染症のひとつです。蚊が最も重要な発生源であるため、この感染症のリスク地域は、70%以上が東南アジアと西太平洋地域に分布されます。タイでは今年初めから24,030人以上の感染者と20人以上の死者が報告されています。タイ保健省は、感染者の増加により3年ぶりの高水準になる可能性があると警告を発しています。
バムルンラード病院:https://www.bumrungrad.com/jp/health-blog/august-2023/dengue-vaccine-protecting-peak-period
タイでは雨季に一番かかりやすいようで、まさに雨季の終わり10月にかかってしまいました。
デング熱と分かるまで
出かけた後、特に運動もしていないのに夕方に筋肉痛症状になり休んでいると、インフルエンザのような寒気と高熱が。。実は2週間前にインフルエンザにかかっていて、同じような症状になり、タミフルも飲んで完治したはずなのに、、、また別の方のインフルにかかってしまったのか思い、サミティベート病院へ行きました。
病院へ行くと以前のカルテを見て先生が「2週間前にインフルエンザにかかっているけど、ちゃんと薬飲みましたか?」と聞かれ、飲んだことを伝えると先生が首をかしげ、とりあえず血液検査をすることになりました。血液検査の結果、デング熱ということが判明しました。
入院するまで
血液検査の結果、血小板の数値がギリギリ正常値だったので入院することなく、痛み止めのパラセタモールなどをもらい3日後血液検査の予約を取りその時は自宅へ帰りました。
デング熱は対処療法でしか治療方法がなく、私の場合の症状は熱よりも以前ヘルニアになった右腰の痛みがひどく4時間毎にパラセタモールを飲む状況でした。
3日後も特に良くなっていることもなく、ひどく悪化しているわけでもなく再度血液検査に病院に行きました。血液検査の結果待ちを1時間以上かかり(周りの人は呼ばれているのにどうしてだろうと思っていると)、ようやく呼ばれたと思ったらなんと「入院の手続きをしましょう」と言われ急遽入院することになりました。
サミティベート病院に入院
入院の手続きが終わると(歩けるのですが)車いすが用意されすぐ病室へ。よくサミティベートで車イスで移動されている方多いなと感じましたが、入院になるとすぐ病院が用意してくれるのだと初めて体験しました。
サミティベート病院は全室個室で、ベッドの他にソファーやテーブルと椅子があり、とても広かったです。タイの病院の私立病院はほぼ個室だそうです。
タオル、洗面グッズ(シャンプー、歯ブラシなど)、入院着、水(コーヒーやお茶やケトルも)は用意されています。病院のHPに入院に必要なものや一日の流れなどのPDFがありましたのでよろしければご活用ください。https://samitivej-jp.com/data/media/samitivaj_sukhumvit/page/sukhumvit/hospitalization/index/pdf01.pdf
サミティベートの病院食ですが、和食・タイ料理・洋食から選べます。和食は数種類のメニューから選ぶスタイルで一度うどんを食べましたが美味しかったです。
洋食やタイ料理は、曜日毎に朝、昼、夜とすべてメニューが異なり選ぶことができます。ただしすべて英語表記です。毎朝食事担当の方が部屋に来てくれて何がいいか聞いてくれるのですが、3日目まで痛みが強くフルーツしか食べれない状況で洋食でも2種類あり、体調が悪いなかでどれを選ぶのか初めは苦痛でした。
ほうれん草のパイ包み・ツナサラダ・梨・グァバジュース
ほぼ洋食を選んだのですが、朝食にパンケーキがあったり、ポークステーキなどとても美味しくいただきました。
入院中のデング熱経過について
デング熱は人によって症状が異なるようなので、一例として参考になれば幸いです。
入院1~3日目 激痛時期💧
入院中は常に点滴をし、痛みが強い場合痛み止めのパラセタモールを飲む状況でした。入院してから3日間くらいは、4時間で痛み止め効果が切れナースコールで痛み止めをもらっていました。痛みどれが切れると微熱が出ていました。常に痛み止めを飲んでいるせいかデング熱の胃腸症状がでているのか、胃が常にムカムカして途中から胃薬も処方してもらいました。
引用元:https://nico2-labo.com/health/17036/
このチャオチュールのような容器に入っている胃薬が毎回出てくるのですが、どろっとした液体で若干甘いのですが本当に飲みにくくて困りました。タイの薬局で一包づつ購入できます。
入院4日目~ 回復時期(湿疹・指輪事件)
4日にはほぼ痛みもなく元気になってくると、手足が赤くなり腫れてかゆくなりました。手が腫れてしまったため、指輪をしている指がむくんで取れなくなってうっ血し始めてしまいました。タイ人の主治医の先生は腫れが治まったら取れるから大丈夫だけど、あとで看護士さんと取ってみましょうと言われました。
その後日本人先生にこの状況を伝えると、入院したらすぐに外さないと、、と言われ日本では通常入院時にはすべてアクセサリーは外すよう言われるそうです。日本人先生が糸をもって来て色々対応してくれましたが、取れず。これ以上腫れて指がひどくなったら指輪を切りましょうという話になりました。💧
結局それ以上指は腫れることなく腫れが治まると指輪が抜けるようになり、指輪を切ることなく済みました。ここでもタイのどうにかなるでしょうというおおらかな?感覚を体験出来ました。
指の腫れが治まると足に湿疹がでてくるようになりました。湿疹の量は、ちょっと湿疹がでてるかな位でした。この湿疹が出ることで、デング熱がよくなってきている一つの目安のようです。
退院に至るまで
湿疹が出始めて痛みもなくなりいつも通り回復したので、すぐ退院できるのかと思っていました。が、毎朝の血液検査の結果、血小板の数値が低いので通常の通知に戻るまで退院ができないと言われてしまいました。
この血小板数値の回復は待つしかなく、ただ他の血液検査数値も徐々に数値が上がってきているからもう少しだよとタイ人先生に励まされました。実際体調がよくなって、退院できるまでにに2日ほどかかりました。
デング熱にかからないために
デング熱にかからないためには、予防対策しかないと思います。対策について2つします。
1、デング熱ワクチン
入院中日本人先生よりタイにはデング熱ワクチンがあり効果が高くWHOでも流行地域には推奨をしていると聞きました。タイではワクチンがあるようで、タイの病院から詳細が出ていました。
デング熱ワクチンとは?
タイで入手可能なデング熱ワクチンは1種類のみです。Dengvaxia® (CYD-TDV)と呼ばれる生ワクチンには、4種類のデングウイルス血清型それぞれの遺伝子を持つ組み換えウイルスが含まれています。完全な予防のためには、このワクチンを6ヵ月間(0ヵ月、6ヵ月、12ヵ月)に3回接種する必要があります。
デング熱ワクチンの接種はどのような方に推奨されるのか?現在、デング熱ワクチンは、デング熱に感染したことがある方、または過去にデング熱感染の血清検査を受けたことのある9~45歳の小児および成人への接種が推奨されています。長期的な研究により、デング熱に感染したことのない人にデング熱ワクチンを接種すると、重症化するリスクが高まる可能性があることがわかりました。そのため、小児は、ワクチン接種前に検査でデング熱感染があったかどうかを検査する必要があります。タイのデータでは、大人の90%以上が既にデング熱に感染したことがあるというデータがあるため、大人は検査は必要ありません。
バムルンラード病院:https://www.bumrungrad.com/jp/health-blog/august-2023/dengue-vaccine-protecting-peak-period
Dengvaxia® (CYD-TDV)は、小児をデング熱による疾病、入院、重症デング熱から約80%予防し、少なくとも6年間は予防効果があります。しかし、この予防接種は完全に予防することができないため、依然として、蚊にかまれないようにする予防は重要です。
タイの大人はほぼデング熱に感染したことがあるとありますが、タイの人はインフルやコロナよりもデング熱にかかる方が危険という認識があるようでした。ドライバーさんの息子さんもかかった時、無償のタイの国立病院ではなく私立病院にいれたそうです。
2、虫除け
ワクチンよりも簡単に対策できるのは、やはり虫除けかと思います。タイで購入できる虫除けを紹介します。
こちらタイの花王で作られた塗るタイプの虫除けです。実際使っていますが、伸びがよくスプレーよりもちゃんと虫除けすることができると思います。この虫除けはタイでしか販売されておらず、日本へのお土産にもいかがでしょうか?
商品について調べると、デング熱に対して熱い思いをもってこの商品を作られていましたのでご紹介します。
「ビオレガード モスブロックセラム」発売発売の背景
蚊が媒介する感染症のひとつであるデング熱は、東南アジア諸国などにおいて長年の社会問題であり、また温暖化の影響で世界に広がりつつあります。花王は、人々の暮らしを蚊から守る独自の研究をすすめてきました。蚊が肌に降り立つ挙動に着目し、界面での濡れ現象を利用することで、蚊の吸血から身を守る技術を開発。これは従来の忌避剤(揮発性有効成分DEETやイカリジンなど)とは異なる作用機序をもつ新たな技術です。この技術を応用し、ボディローションのような軽い使い心地でべたつかない製品を開発。「ビオレガード モスブロックセラム」としてタイにて6月から発売を開始しました。
花王:https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2022/20220615-001/
日本人学校でいただいた際はあまり気に止めてなく、デング熱にかかった後この商品のすばらしさを友人から教えていただきました。日本の研究力はやはりすごいなぁと感じました。
タイで一番よく目にするスプレータイプの虫除けです。コンビニや薬局やスーパーでよく見かける虫除けです。小さいサイズもあり、お値段も小さいもので30バーツほどで大きいもので80バーツほどです。このほかにも自然由来の虫除けなど色々な種類が売られています。
デング熱にかかって
デング熱にかかって以来色々な方とデング熱について話すことがあるのですが、ある友人からはデング熱でなくなった方が近くにいたり、デング熱2回目は重症化するからちゃんと虫除けをするよう注意されたり、身近な病気で恐ろしいものだということを学びました。実際入院中も日本人が一日一人はデング熱で入院していると聞きました。今年バングラデシュでは、デング熱が流行り過去最悪の状況で900名以上亡くなられているそうです。(2023.9.30」NHKニュースより)デング熱の広がりは、地球温暖化の影響を受けているそうです。
シンガポールではデング蚊が発生しないように、家に水がたまるようなものを置くと罰金をとられるそうです。日本でも以前代々木公園を封鎖して消毒をしましたが、やはりここまでの対策が必要なものだと改めて感じました。デング熱にかからないためにも、タイや東南アジアへ旅行の際は虫除け対策をして楽しい旅行になりますように✨